2026年秋も、ACP・意思決定支援をテーマに講演活動を続けています

少しホームページの更新が空いてしまいましたが、2026年も在宅医療・緩和ケアに関する講演・研修活動を続けています。
この秋は、9月に埼玉県三郷市、10月に茨城県高萩市で、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)や意思決定支援をテーマとした研修会でお話しする予定です。
最近、自治体や地域の多職種研修会でACPについてお話しする機会が増えています。
そこでよく感じるのが、
「ACP=急変したときの対応を決めておくこと」
「本人が話せなくなったら、家族に希望を聞けばよい」
という理解だけでは、実際の現場ではなかなかうまくいかない、ということです。
ACPは「何をするか」を決めるだけではない
在宅医療や介護の現場では、
「入院したほうがいいのか、このまま自宅で過ごすのか」
「点滴や治療をどこまで行うのか」
「本人はもう十分に意思を伝えられない。では、何を根拠に考えればいいのか」
といった場面にたびたび出会います。
こうした場面で大切なのは、単に本人から事前に「延命治療をする・しない」と聞いておくことだけではありません。
普段の生活の中で、
「この人は何を大切にしてきたのか」
「どんな生き方をしてきたのか」
「何を嫌がり、何を楽しみにしていたのか」
といった、その人の価値観の“かけら”を多職種で集めていくこと。
そして、もし本人が十分に意思を伝えられなくなったとしても、
「この人だったら、どう考えるだろう?」
とチームで本人の立場に立って考えること。
私は、こうしたプロセスこそがACPの大切な部分だと考えています。
9月は埼玉県三郷市で、多職種向けACP研修
9月は、三郷市医師会の多職種研修会でACPについてお話しします。
今回のテーマの一つは、
「本人が意思を伝えられなくなったとき、私たちはどうやって本人にとっての最善を考えるのか」
です。
ACPの基本的な考え方だけでなく、
- 本人の価値観をどのように捉えるか
- 家族の思いと本人の意向をどう整理するか
- 本人の「推定される意思」をどのように考えるか
- 意見が分かれたときに、多職種でどう話し合うか
といった、実際の現場で遭遇する場面を中心にお話しする予定です。
10月は茨城県高萩市で、ケアマネジャーを中心としたACP研修
10月には、茨城県高萩市で、ケアマネジャーを中心とした医療・介護職の皆さまを対象にACP研修を行います。
こちらでは特に、
「ACPは特別な面談の中だけで行うものではない」
ということをお伝えしたいと思っています。
例えば、
「昔は大工だったんだよ」
「人の世話になるのだけは嫌でね」
「孫の結婚式までは見たいな」
「病院はどうも苦手でね」
こうした何気ない日常会話も、すべてその人の価値観を知るための大切な情報です。
医師だけでなく、看護師、ケアマネジャー、介護職、薬剤師、リハビリ職など、それぞれの職種が日々の関わりの中で拾った「その人らしさ」をチームで共有する。
その積み重ねが、いざ大きな医療・ケアの選択が必要になったときに、本人にとってより良い意思決定を考えるための土台になります。
講演会では、ACPを始める時のコミュニケーションのコツ、テクニックについてもお話し、より実践的内容にする予定です。
難しい理論を、現場で使える形に
私が研修会で大切にしているのは、知識をたくさん伝えることだけではありません。
研修会が終わったあとに、
「明日から、患者さんとの会話を少し意識してみよう」
「今度のカンファレンスで、この視点を共有してみよう」
「本人の意向を、もう一度チームで考えてみよう」
と思ってもらえること。
在宅医療や緩和ケアには、ACP、意思決定能力、推定意思、臨床倫理など、少し難しく感じられる言葉もたくさんあります。
でも、それらを現場で本当に使える形まで分かりやすく落とし込むことが、研修を行う意味だと思っています。
これからも、
「誰もが、いつでも、どこでも標準的な在宅医療・緩和ケアを受けられる社会」
を目指して、地域の医療・介護職の皆さまと一緒に学ぶ機会をつくっていきたいと思います。
9月・10月の研修についても、終了後にまたこちらでご報告できればと思います。
在宅医療、緩和ケア、ACP、意思決定支援、多職種連携などをテーマとした講演・研修のご依頼も承っています。
自治体、医師会、職能団体、医療・介護関係機関など、対象や地域の課題に合わせて内容を組み立てています。
講演・研修をご検討の方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
