本人が話せない時の『ぶれない意思決定支援』!推定意思を探る4つのヒントと4分割表の活用法」@令和7年度 茨城県訪問看護事業協議会_県西ブロック研修会

2025年11月、令和7年度茨城県訪問看護事業協議会県西ブロック研修会にて「それは“誰の意向”? ~本人の声が届きにくいときの、チームの役割とACP~」という研修を行いました。

今回はその内容をぎゅっとまとめてお届けします。

本人が話せなくなった時、仕方がないと家族の意見を優先してモヤモヤした経験はありませんか?明日から現場で使える意思決定支援のコツをお伝えします。

目次

本人の意思を「全力で推定」する4つのヒント

意思決定において、本人が話せなくなってしまった時「家族の意向に従うしかない」と諦めていませんか?
たとえ本人が意思決定できなくても、「本人の価値観を尊重し、意思を反映させた医療・ケアを実現すること」が私たちの最大の目的です。そのためには、以下の4つの視点から全力で「推定意思」を探ります。

・A. 現時点での発言(直接):最も強い根拠。話しやすい環境整備が重要です。
・B. 過去の発言(直接):事前指示書や過去の会話など。
・C. 現時点での行動・反応(間接):処置の拒否などのサイン。再現性があるか確認しましょう。
・D. 過去の価値観・信念(間接):自由を重んじるか、どんな生き方をしてきたかなど。

最も大切なのは、「この人」にどれだけ興味を持ち、知ろうとしているかです。ご家族と一緒に“本人らしさ”を再構成していきましょう。

モヤモヤを整理するツール「臨床倫理の4分割表」

患者さんにとって最善のケアを考える際、医学的情報や本人の価値観、家族の思いなどが入り混じり、頭の中だけで整理するのは無理があります。そこで役立つのが「臨床倫理の4分割表」です。

以下の4つの視点で情報を整理します。
1. 病状・治療の目標(医学的な見立てや推奨)
2. 患者の意向(本人の希望や推定意思)
3. QOL・生活の質(本人にとっての楽しみや苦痛)
4. 周囲の状況(家族の意向や経済的・社会的資源)

4分割表は答えを出す機械ではなく、情報を整理し、チームでの「共通言語」を作るための道具です。専門性だけでなく、関わるスタッフの「できる限りのことをしてあげたい」といった感情も含めて可視化することで、対立ではなく建設的な対話が進むようになります。

日常の会話から集めるACP(アドバンス・ケア・プランニング)

情報整理をしてみると、「もっと本人の思いを聞いておけばよかった」とモヤモヤすることがあります。このモヤモヤを防ぐための鍵がACP(アドバンス・ケア・プランニング)です。
ACPの目的は、意思決定が難しくなった時でも、本人の意思を反映したケアを提供すること。結論を出すこと以上に、「話し合いのプロセス」そのものが重要です。

明日からできるACPのポイントは以下の3つです。
・日頃の会話から引き出す:昔の職業や趣味、重大な決断など、何気ない会話にヒントがあります。
・家族の記憶から集める:「昔はどんな方でしたか?」と尋ねてみましょう。
・チームで共有する:些細な情報でも遠慮なく共有し、チームで“かけら”をつなぎ合わせます。

ACPは特別なことではありません。日々のあなただからこそできる関わりが、未来のぶれない意思決定支援につながります。

まとめ

本人が話せなくても、「この人ならどう考えるか」を軸に多職種で情報を持ち寄ることで、ぶれない支援ができます。

まずは明日から、

「過去の言動や価値観」を一つでも聞き出し、チームで共有してみてください。

これからも一緒に、誰もが自分らしい最期を迎えられる地域を作っていきましょう!

皆さまの地域で、より多くの方が
自分の望む人生の最終段階の医療・ケアを
受けられますよう願っております

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