【在宅医療は難しくない!】地域で育てる「在宅・緩和ケアの木」~多職種連携と文化づくり~

2026年3月、筑西市在宅医療支援多職種連携会主催にて
「“在宅医療は難しくない” ~地域で育てる在宅医療の木~」という研修を行いました。
今回はその内容をまとめてお届けします。
「多職種連携が大事なのは分かるけど、何から始めれば…」「うちの地域では難しい」と悩む行政職員の皆さま、ケアマネや訪問看護師の皆さまへ、現場で明日から使える地域づくりのヒントをお伝えします。
枝葉より大切!在宅・緩和ケアの「根っこ」とは
現場で「在宅医療・緩和ケアの推進は難しい」という声をよく聞きます。

そもそも在宅・緩和ケアを教えてもらえる医師や看護師がいない‥



医療リソースが足りていないんだから無理でしょ‥今までも何度「顔の見える関係作り」の研修会したか分からないよ。
コミュニケーション技術や薬の知識、連携の仕組みといった「枝葉」を一生懸命育てようとしても、なかなか地域に根付きません。大切なのは、木を支える「根っこ」を再認識することです。
在宅・緩和ケアの根っこ、それは「患者さん本人の意向を尊重し、その人らしさを支える」という文化です。これが全ての始まりになります。
そのために欠かせないのが「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」。急変時の対応を決めるだけでなく、「何が大切か」「してほしくないことは何か」を日頃から話し合うプロセスです。まずはこの土壌をご自身の地域で育てていきましょう。


医師を孤独にさせない!「幹」となる多職種チーム
在宅医療の木の「幹」となるのは、決して医師一人ではありません。多職種連携チームそのものが太く強い「幹」なのです。



また多職種連携ですか‥そんなの建前ばかりで何にも進まないんですよ・・。
一生懸命推進に力を入れてきた皆様のなかには、そう思う方もいるかもしれません。
また、医師が一人で責任を抱え込んでしまったり、連携がうまくいかなかったりするケースは少なくありません。
しかし、全国の先進事例を見ていくと、地域の病院や医師会をハブとして機能させ、訪問看護や介護などの地域資源を最大限に生かしていることが分かります。
ここで最も重要なポイントは、「この地域では医師を孤独にさせない」という支え合いの仕組みを本気で作ることです。地域の医師を急に増やすことは簡単ではありません。しかし、地域の医師が「これなら在宅医療をやってもいいかな」と思える空気は変えられます。
そして、その空気をつくるのは国や自治体の制度ではなく、現場で働く皆さんのような「人」なのです。
変わらない地域を変える「文化づくり」の3つのステップ



「連携が大事なのは分かるけど、何度も会議をしているのに変わらない…」
初めの一歩が踏み出せないこの見えない壁の正体は、「文化や関係性の質が変わっていないから」です。
地域を動かすきっかけは、いつも一人の違和感から始まります。「なぜ、あの患者さんは最期まで家にいることが出来なかったんだろう?」という本音に、多くの人が共感したとき、それが文化の芽になります。
文化をつくるための3つのアプローチを意識してみてください。
- 共感:一人の本音やエピソードで心を動かす
- 体験:完璧じゃなくても「やってみたらうまくいった」という経験を積む
- つながり:「誰かとつながっている」という実感が新しいチャレンジを支える
良い企業づくりと良い地域づくりって似ているなぁと最近非常に実感しています。
制度や理念を、まずは構成する一人一人が実践して考えて、それを成功体験として積み、「あぁこんな組織の中で働いていたいなぁ!」と思い繋がっていく‥。それがとっても大事なことですよね。良い地域医療づくりのためには、トップだけがその理念に酔っているだけでは、絶対に持続可能なレベルにはなりませんよね。
皆さん一人ひとりの想いが地域の文化になっていきます。


明日からできる!地域を耕す「最初の一歩」
この地域では、最期まで“その人らしさ”を大切にする――その想いが文化になります。では、明日から具体的に何をすればいいのでしょうか?
まずは「誰かがやってくれる」から「自分から始めてみる」へ、意識を少しだけ変えてみましょう。
大げさなことをする必要はありません。例えば、多職種との雑談のついでに
あのお看取り、とても印象に残っています。みんなで一緒に方針を考えて‥
と自分の体験を共有してみる。
あるいは、担当している患者さんと小さなACP(大切にしたいことの確認)を始めてみる。そんな些細なことで十分です。
旗を振るのは「誰か」ではありません。あなたの一歩(問いかけ、呼びかけ、場づくり)が、やがて地域の根を育て、次世代のケアを支える「在宅・緩和ケアの木」へと育っていきます。
今日から一緒に、文化の種をまいていきましょう!
まとめ
いかがでしたか?
在宅医療は決して特別なものではなく、皆さんの「その人らしさを支えたい」という想いの延長線上にあります。
まずは身近な誰かと想いを共有することから始めてみてください
皆さまの地域で、より多くの方が
自分の望む人生の最終段階の医療・ケアを
受けられますよう願っております
